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メダカの飼い方|種類・水槽・水草・繁殖方法までまとめて解説

メダカの飼い方|種類・水槽・水草・繁殖方法までまとめて解説

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かわいらしい容姿と優雅に泳ぐ様子で、不思議と懐かしさを感じさせてくれるメダカ。
童謡「めだかの学校」にも歌われた、日本では親しみのある観賞魚ですが、近年は色や体型、発光など多種多様な品種が生み出されています。
この記事ではメダカを飼う準備からメダカの繁殖方法まで、メダカの飼い方をまとめて解説するので、はじめての方もぜひ参考にしてみてください。

メダカとはどんな生きものか

メダカの基本

メダカは池や小川、用水路、水田などに生息する、体長4cm程度の淡水魚です。英語ではRicefish(米魚)と呼ばれたり、学名ではOryzias latipes(稲の周りにいるヒレの広い魚)と呼ばれたりと、田んぼにいるイメージの強い小魚です。
雑食性なので藻類などの植物はもちろん、蚊の幼虫であるボウフラや、ミジンコなどの微生物も食べます。

日本に住む野生のメダカは、1999年に環境省のレッドリストにおいて「絶滅の危険が増大している種」として指定された、いわゆる絶滅危惧種です。自然界の遺伝的グループを保護するため、決して放流をしてはいけません。

観賞魚としてのメダカは非常に人気が高く、飼育も熱帯魚など他の観賞魚と比べて簡単なので、はじめて飼育する場合にもおすすめです。
また、産卵させて増やすことも、メダカを飼う楽しみの一つです。この記事ではメダカの繁殖方法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

Tips
一度飼育環境に置いたメダカは、黒メダカ・品種改良メダカを問わず決して放流してはいけません。
ペットショップ等で購入したものに限らず、野生で捕獲したものについても、一度飼育下に置いたら放流は厳禁です。
たとえ一本の川の違いであっても、自然界にもともと存在する遺伝的な特性を損なう「遺伝子攪乱」が発生します。

メダカの寿命は1年から2年

メダカの寿命は、自然界ではおよそ1年から2年程度とされています。
外敵や栄養失調の心配が少ない飼育環境下では、2年から3年程度生きるとも言われています。
メダカをできる限り長寿に育てたい場合は、猫や鳥などの外敵や温度変化による影響を受けにくい、屋内飼育を行うのがよいでしょう。

メダカの種類

ホームセンターやペットショップなどで一般的に手に入る、主なメダカの種類をご紹介します。

黒メダカ

白メダカの画像
古くから日本に生息しているメダカを、一般に黒メダカ(二ホンメダカ)と呼びます。
黒からグレーに近い色をしており、北海道以外の日本全国に広く生息しています。
農薬の散布や都市開発の影響により個体数が減少し、現在では絶滅危惧種に指定されています。環境省の定義における「絶滅危惧Ⅱ類」に該当し、野生の個体を捕獲することは禁止されていません(2023年8月現在)。

品種改良メダカ

黒メダカの中から、通常と色や形の違うメダカを選び出し、交配を繰り返すことで生まれるのが品種改良メダカです。代表的な品種を以下で紹介します。

〇白メダカ

白い体色が特徴的なメダカです。
メダカの体色を決める色素胞と呼ばれる組織のうち、白色のものが優位になることで発色しています。改良品種としての歴史は古く、江戸時代にはすでに飼育されていたと考えられています。
改良品種の中でも原種の黒メダカに比較的近い系統のメダカなので、特に弱りやすいということもなく、初めて飼育する方にもおすすめのメダカです。

見た目の似たアルビノメダカという品種もありますが、そちらは色素自体が欠落する形質を持っており、白メダカとは区別されます。見分ける際のポイントとして、アルビノメダカは目が赤く、白メダカは目が黒くなっています。

〇楊貴妃メダカ

鮮やかな朱赤色に発色する、品種改良メダカの中でもポピュラーな品種です。
稚魚のうちは淡い体色ですが、成長するにつれて次第に赤く色付いていきます。
メダカの赤色の発色は赤色素胞ではなく、黄色素胞に由来します。また、カロテノイドなどの色素を含む餌を与えることで、個体の発色をより赤くする、いわゆる色揚げも可能です。
色揚げ用のエサは、ホームセンターなどでも一般的に市販されています。

品種改良メダカの中でも楊貴妃メダカの人気は高く、他の品種と交配した改良品種も多数存在します。

〇幹之(ミユキ)メダカ

白銀色の金属質な体色で、背中に光沢のあるメダカです。
2007年に作出された、背中に発光する形質を持つメダカがルーツの品種で、現在では幹之メダカを元に、より発光の強い「スーパー幹之」や、背中だけでなく顔周辺まで発光する「鉄仮面」などの改良品種が作出されています。

幹之メダカの光沢は虹色素胞という組織によるものです。これは色素による発色ではなく、組織内の微細な構造によって光の波長が変化することによる、いわゆる「構造色」により発色しています。ネオンテトラの発光や、シャボン玉の表面が虹色に見えるのと同じ仕組みです。

〇ラメメダカ
ラメメダカの画像
体中にラメを散らしたような見た目のメダカです。
幹之メダカの背部は直線的に発光するのに対し、ラメメダカは鱗一枚ずつがそれぞれ発光します。
体色は黄色や赤、青、混合色など様々な種類が存在します。
飼育する際は、スイレン鉢など上から観賞できる飼育容器を使うのがおすすめです。

〇ダルマメダカ

他のメダカよりも体長が短く、丸っぽい体型のメダカです。
他の改良品種との交配も盛んにおこなわれており、楊貴妃の体色とダルマの体型をあわせもつ楊貴妃ダルマや、ラメ入りのダルマメダカなども存在します。
ここで掲載している画像は、楊貴妃ダルマメダカのものです。

メダカを飼う準備


メダカを飼うために必要な準備を、屋外飼育の場合と屋内飼育の場合に分けて解説します。

メダカを屋外で飼う場合


初心者の方には屋外飼育がおすすめです。屋外飼育では太陽光や天候、水中に発生する虫や微生物など、自然界の条件に近い環境でメダカを育てることができるため、水槽の管理が必要な屋内飼育と比べて手間が少なく済みます。
基本的に上から見下ろす形で観賞するので、背中が美しいメダカと水面に浮かぶ水草を組み合わせるのがおすすめです。
水面に浮かぶ水草は、メダカにとって暑さ対策や外敵から身を隠すために役立ちます。またアナカリスなどの沈水性の水草や、水底に根を張って葉や花を水面に出すスイレンなどの浮葉性の水草も取り入れると、よりレイアウトの幅が広がります。
多様な水草の組み合わせを楽しみ、生き物たちが暮らす環境を作り上げるのは、メダカ飼育の醍醐味です。

屋外飼育で用意するもの

【必要なもの】

  1. メダカの容器(スイレン鉢・トロ舟など):スイレン鉢は鉢自体のデザインを選ぶ楽しみもあります。トロ舟などの大型の容器は水量が多く取れるため、メダカにとって快適な環境を作りやすくなります。
  2. エサ:通常のエサの他、繁殖用、稚魚用のものなどもあります。
  3. 中和剤(カルキ抜き):投入するだけで、水道水をメダカが住みやすい水質に変えます。
  4. 水草:水質の維持やメダカの隠れ家になるなど、様々な役割を持ちます。
  5. 底石・底砂:フンや食べ残しなどの沈殿物を分解するバクテリアの住処となり、水質を維持します。バクテリアによって分解された窒素成分は、栄養として水草に消費されます。
  6. おさかなネット:メダカを別の容器に移し替える際に使います。

【好みに合わせて使うもの】

  1. 石・流木:自然の雰囲気を作るために役立ちます。
  2. その他インテリア:陶器やガラス製の飾りなどを使い、好みのレイアウトにします。
Tips
メダカを屋外で飼う際は、獣害に気を付けましょう。
野良猫はもちろん、近年住宅地でも増えているハクビシンやアライグマによって、メダカが食べられてしまうことがあります。
よしずで飼育容器の周囲を囲ったり、ネットで蓋をするなどの対策をしましょう。

メダカを室内で飼う場合


メダカを室内で楽しみたい場合は、水槽を使って飼育することも可能です。
水温の管理を安定させることができるので、冬場も冬眠せずに動き回る姿を観察できます。
横から観賞できるので、水中で育つタイプの水草や、小エビなど他の生体と組み合わせて飼育するのもおすすめです。

室内飼育で用意するもの

【必要なもの】

  1. 水槽・ガラス容器など:水量が多いほど水質を安定させやすいので、中型から大型の水槽を使用するのがおすすめです。丸形のガラス容器などでも飼育できます。
    小型水槽で育てる場合は、飼育する匹数を1〜3匹程度にします。
  2. エサ:通常のエサの他、繁殖用のものなどもあります。
  3. 中和剤(カルキ抜き):投入するだけで、水道水をメダカが住みやすい水質に変えます。
  4. 水草:水質の維持やメダカの隠れ家になるなど、様々な役割を持ちます。
  5. 底石・底砂:フンや食べ残しなどの沈殿物を分解するバクテリアの住処となり、水質を維持します。バクテリアによって分解された窒素成分は、栄養として水草に消費されます。
  6. おさかなネット:メダカを別の容器に移し替える際に使います。

【好みに合わせて使うもの】

  1. ろ過装置:大型の水槽を使用する場合は、水質維持のためにろ過装置を取り付けるのがおすすめです。メダカは本来、水田などの水流が穏やかな場所で暮らすため、泳ぐ力が強くありません。そのため、ろ過装置はなるべく水流が強くならないものを選んでください。
  2. 水槽用ライト:メダカの生活リズムを整えるため、屋外の日照時間と合わせて、朝から夕方までを目安に点灯させるようにしましょう。
  3. 石・流木:自然の雰囲気を作るために役立ちます。
  4. その他インテリア:陶器やガラス製の飾りなどを使い、好みのレイアウトにします。

水あわせ

メダカを飼育容器に入れる前に、水質に慣れさせるための「水あわせ」を行います。

【水温を合わせる】

買ってきたメダカが入っている袋を、水を張った飼育容器の中に浮かべます。
およそ30分程度で、袋の中の水温が飼育容器内の水温に近づきます。

【徐々に水にならす】

袋の中に飼育容器内の水を少し入れて、また10分程度浮かべておきます。
この作業を3回ほど繰り返します。

【飼育容器に移す】

おさかなネットでメダカをすくい、飼育容器に移します。

Tips
メダカを袋から飼育容器に移す際は、袋の中の水ごと流し込まず、メダカだけをおさかなネットですくって移し替えてください。水ごと流し込むと、万が一袋の中の水に病原菌が入っていた場合に、飼育容器に病原菌がうつってしまいます。

メダカと一緒に飼える生き物

メダカと同じ容器で飼うことができる生き物を紹介します。

〇ヌマエビ
ヌマエビの画像
淡水に住む3~5cmほどの大きさのエビです。
飼育容器内のコケを食べてくれるので、水質維持にもつながります。

〇タニシ

黒っぽい色の巻貝です。
ヌマエビと同様、コケを食べてくれます。

〇アカヒレ

赤い尾びれを持つ小型の観賞魚です。
メダカを水槽で飼育する際に一緒に飼うと、混泳する姿を楽しむことができておすすめです。

〇コリドラス
コリドラスの画像
水底で暮らす温厚な熱帯魚で、メダカを水槽で飼育する際に混泳させるのがおすすめです。
メダカは飼育容器の中層から上層で暮らすので、生活圏がかぶりません。
メダカに与えたエサの食べ残しをきれいに食べてくれますが、それだけではエサの量が足りない場合もあるので、沈下しやすい専用のエサも与えましょう。
また、熱帯魚なので飼育する際はヒーターを入れる必要があります。

メダカ用水草

水草はメダカにとって、酸素を供給するだけではなく、産卵場所や外敵から身を隠す目隠しにもなる重要なパートナーです。
また、様々な種類の水草や流木などを組み合わせて美しいレイアウトを作り上げるのも、メダカを育てる楽しみの一つです。

水草には大きく分けて、以下の種類があります。

沈水性 全体が水中に沈んでいる水草 アナカリス、マツモ、カボンバなど
浮遊性 水底に根を張らず、水面に浮かぶ水草 ホテイアオイ、ミジンコウキクサ、オオサンショウモなど
浮葉性 水底に根を張り、葉だけを水面に出す水草 スイレン、ウォーターポピーなど
抽水性 水底に根を張り、葉や茎の上部が水上に出ている植物 オモダカ、カキツバタなど
湿地性 湿原や浅い水辺で育つ水草 ショウブ、ミズバショウ、イグサなど

適正水位が異なる水草を同じ容器内で育てる際は、底砂や鉢・石などの置物を利用して水位を調整します。浮遊性・浮葉性の水草だけでなく、カボンバなど沈水性の水草を取り入れることで水中に立体感が生まれます。
また、抽水性の水草と流木などを組み合わせて、水上のレイアウトを整えるのもおすすめです。

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日ごろのお手入れ


メダカを健康に育てるための、日々のお手入れを解説します。

エサやり

エサは毎日朝晩の2回に分けて与えましょう。
食べ残しがあると水質の悪化につながるので、一度に少量ずつ、すぐに食べきれる量を与えてください。
メダカ用のエサはホームセンターやペットショップなどで市販されています。
エサはしばらく水面に浮遊している方がメダカにとって食べやすいので、ゆっくりと沈下する粉末状のものがおすすめです。

掃除・水換え

飼育容器内の水質を維持するために、水換えを定期的に行い、合わせて水槽の掃除もしましょう。
メダカが活発に動く春から夏ごろにかけては、エサを食べる量と排泄量も増えるため、月に2~3回くらいのペースで掃除・水換えを行います。
秋になり気温が下がってくると、メダカの活動が穏やかになってくるため、月1~2回程度に減らしていきます。
冬にはメダカが冬眠に入るため、水換えは行わず、容器の中をさわることも控えます。

【新しい水を用意する】

水換えの際に新しく入れる水は、事前に準備しておきます。
中和剤を入れてカルキ抜きをしておきましょう。

【水を抜く】

飼育容器から3分の1くらいの水を抜きます。

【容器の中を掃除する】

ネットを使い、水槽内のごみをすくい取ります。壁面の汚れはスポンジなどでふき取りましょう。

【新しい水を入れる】

用意しておいた新しい水を入れます。水流が強くならないように、ゆっくりと注いで下さい。

冬の飼い方

秋から冬にかけて水温が下がってくると、メダカは冬眠に入ります。
冬眠に入ったメダカは水底で静かに過ごすようになります。
冬眠中は水替えや掃除は必要なくなるので、静かに見守りましょう。

メダカの繁殖方法


冬眠を終え、水温が上がる春ごろから、メダカは繁殖活動を行います。
特別な準備をせずとも、オスとメスを同じ容器で飼育していれば自然と繁殖しますが、できるだけ産卵しやすい条件を整えてみましょう。

メスは水草などに卵を産み付けます。ホテイアオイなどの卵を産み付けやすい浮草や、市販の産卵床を入れてみてください。

産み付けられた卵は、親自身を含む他のメダカに食べられてしまうことがあるので、水草・産卵床ごと別の飼育容器に移します。
孵化するまでの期間は、カルキ抜きをしていない水道水に入れておきます。カルキ入りの水道水は、卵につく水カビを防ぐ効果があります。
10日から14日程度で孵化するので、孵化する前にはカルキ抜きをした水に移し替えておきましょう。稚魚も他のメダカに食べられてしまうので、成魚の容器とは分けて育てます。

孵化してから2、3日程度は、おなかについた袋から栄養を得るので、エサは与えないようにしましょう。
稚魚は口のサイズが非常に小さいため、粉末状になっている稚魚用のエサを与えてください。
孵化後1ヶ月半から2ヶ月ほどしたら、サイズも段々大きくなってくるので、成魚用の飼育容器に移すことができます。
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まとめ

金魚と並んで人気の高い観賞魚であるメダカ。新たな品種も増え、水草と組み合わせるなど楽しみ方もますます広がっています。
今回の記事を参考に、ぜひメダカを飼育してみてはいかがでしょうか。

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