【堺打刃物】包丁づくりの町・堺の「いいもの」
かつて「東洋のベニス」と呼ばれ、国際都市として栄えてきた大阪府堺市。私たちコーナン商事もここ堺市で誕生し、本社を置いています。
そして「堺製の包丁」といえば、全国的にも大変有名なことはご承知の通り。昭和57年には、経済産業省より「堺打刃物(さかいうちはもの）」として伝統的工芸品に指定されました。「堺打刃物」は堺の職人が手で打った刃物にしか与えられない名称！
今回はわが町堺市の、「堺打刃物」の製造工程を見学します！
１. 600年の歴史～堺の街と「堺打刃物」
２. 見学前におさらい。「刃物の種類、ご存知ですか？」
３. いよいよ！堺打刃物職人を訪ねる
１. 600年の歴史～堺の街と「堺打刃物」 ルーツはタバコ包丁
堺市に住み始めて、10年が過ぎましたがまだこの街についてよく知らなかった私・・・。少しだけ堺市をご紹介します♪
大阪府堺市は、大阪市の南に位置し、2006年には政令指定都市に移行しました。
世界最大の前方後円墳、仁徳天皇陵古墳をはじめとする百舌鳥古墳群が築造。世界文化遺産登録を目指し、街全体で盛り上がりをみせています。
最近では古墳ブームで、前方後円墳を模した様々なグッズを見かけるようになりました！
中世には国際都市として栄え、茶の湯や和菓子、線香など様々な文化が生まれました。
そして刃物は、16世紀にポルトガルから伝来したタバコの葉を刻むタバコ包丁が初めて製造され、江戸時代には徳川幕府が「堺極（さかいきわめ）」の印を附して、堺刃物の切れ味と名声は全国各地へ拡がりました。切れ味の鋭さから、ほとんどのプロの料理人が堺製の包丁を使っています。・・・すごいですよね。
伝統産業品としての「堺打刃物」
前述のとおり、昭和57年3月5日に、経済産業省より「堺打刃物(さかいうちはもの）」として伝統的工芸品に指定されました。伝統的工芸品とは、伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づき経済産業大臣が指定します。
このマーク、見たことがあるという方も多いのではないでしょうか？
定められている技法・原材料・製造地域等の条件の検査を行い、合格した製品にこの「伝統証紙」が貼られます。
２. 見学前におさらい。「刃物の種類、ご存知ですか？」
告白いたします。我が家には三得包丁一本しかございません。包丁の種類も、どんなものがあるのか。名前を聞いてもわかりません。
「いいもの見学」にご招待する前に、包丁の種類について、おさらいしましょう！
包丁には、大きく分けて洋包丁と和包丁があります。
洋包丁の多くは「両刃」で、刃の切れる部分である鋼を鉄で挟んだものを言います。
切っ先が尖って細工のしやすい「牛刀包丁」
刃幅が広く、切っ先で細工もでき、肉・魚・野菜が切れる万能タイプの「三徳包丁」
三徳包丁を小型化し軽くした「小三徳包丁」
野菜・果物の皮むきに便利な「ペティナイフ」
野菜専用の「菜切り包丁」が主な種類です。
和包丁の多くは「片刃」で、一方に鋼がついたもので、裏側が平らになっているのが特徴です。
厚みと重さがあり、魚のぶつ切りや鶏肉を切るのに使用する「出刃包丁」
関西で主として用いられる「刺身包丁（柳刃包丁）」
野菜専用の「薄刃包丁」
その他ウナギ専用、はも専用、すし切り、羊羹などの「菓子包丁」などがあります。
こちらの写真は、堺市にある「堺伝統産業館」で展示されている包丁。
ご自宅ではどんな包丁をお使いでしょうか？今回は後者の「片刃包丁」の製造過程を見学させていただきました！
３. いよいよ！堺打刃物職人を訪ねる
堺刃物製造の工程には特徴があります。それは、
①鍛冶（かじ）②刃付（はつけ）③柄付（えつけ：包丁に柄をつける）の三分業で製造されるということ。一貫分業しているところはありません。
今回、地金（じがね：鉄）と刃金（はがね：鋼）を接着し、刃金を強く鍛える『鍛冶職人』、鍛造された包丁を砥石で研いで、整形、切れ味よく仕上げる『刃付職人』を訪ねました。
▼コチラは番外編！
まとめ
今回の「いいもの見学」いかがでしたでしょうか？
見学を終えてお二人のひた向きな職人の技と心に感動しきり。本当に素晴らしい体験をさせていただきました。少しでも、お二人の「堺打刃物」への思いが伝われば幸いです。
今回訪れた「堺伝統産業会館」では、刃物研ぎ体験など堺工芸に触れるイベントが盛りだくさん！堺市を訪れる機会がありましたら、「堺打刃物」職人の工程を見学してみてください。製作所の雰囲気・熱気・技術の高さを肌で感じていただけるはずです！
ついでに堺の観光も楽しんで・・・♪
堺ってほんまにいいなあ。
そして心のこもった逸品！是非みなさんのパートナーとして選んでみてくださいね！
参考文献：堺伝統産業会館／堺刃物商工業協同組合連合会